5代目 桂 三木助

昨日、誘ってもらった小さな落語会に、行ってきました。

主催は「初心者向けの落語会」となっておりますが
五代目・桂三木助と日本酒・澤乃井(小澤酒造)のコラボ企画。

イベント名は「五代目・桂三木助 夏の落語会」

そう、昨年真打に昇進すると共に落語界の大名跡を継いだ
5代目 桂三木助師匠。

「芝浜」を今の形に仕上げた大名人・3代目 桂三木助は祖父。
26人抜きで真打昇進を果たした人気者・4代目 桂三木助は叔父。

そんな落語界のサラブレッドでございます。

場所は神田の居酒屋「酒処 米俵吟蔵」

大きなお店ではありませんが、手製の高座を設置されており、
その前にゴザが敷かれ、その後ろに少しだけ椅子が並び、
壁際は店に据付のベンチ。
約40名が所狭しと、密集して座っております。

三木助師匠、この日の演目は
「お見立て」
「猿後家」
「青菜」

の3本。

いやー、久しぶりに落語を堪能しました。

「お見立て」の中で、ほんの一瞬、
ほんのワンフレーズ、なぜか
 立川志の輔師匠
の影響を感じました。そのフレーズが何だったか。
その記憶はもう日本酒の彼方へ消えてしまいましたが……

続く「猿後家」は、その立川志の輔師匠に教わった噺だと
三木助師匠から伺いました。

志の輔師匠、大好きなんです、私。
脱線してすみません(苦笑)。

で、
最後の「青菜」で、私たち観客全員、日本酒が飲みたくて
たまらない口になってしまいます。

「青菜」登場する植木屋さんが、旦那に勧められて飲む
「柳蔭」(みりんに米焼酎を加えた甘口のお酒。江戸では
「本直し」または「直し」と言うそうです)。

美味しそうに飲む、その仕草。

「鯉の洗い」をつまむ、その仕草。

この落語会は、澤乃井さんの協賛ですから、落語の後は
美味しい日本酒が楽しめる宴席が待っております。

私たち全員、三木助師匠の話術に乗せられて、
頭の中は、日本酒のことばかり(笑)。

お猪口を配る三木助師匠

そして宴席。
料理が本当に美味しい。

そして日本酒。
澤乃井(小澤酒造)の取締役自ら、お酒の説明を
しながらの振る舞い。

全員で、ありがたく飲み干します。

澤乃井(小澤酒造) 小澤取締役

同じテーブルになった人たちとの会話で多いに盛り上がり、
美味しい食事と、「一般に販売していない」という
この夏限定で試験的に作られた、びっくりするほど美味しい
甘口な日本酒などを満喫していると、各テーブルを回って
いた三木助師匠が、こちらにも。

一緒に杯を傾ける三木助師匠

「やっぱり(名門の血筋だけあって)うまいですよね~」
「声もいいですよね~」
「まったこの、顔も可愛いですよねぇ~」
と、感謝諸々お伝えしながら、楽しくも、貴重な話をいくつも
うかがい、ホントに楽しい時間を過ごさせていただきました。

で、この日、気になっていたのが……

「でも師匠、マクラで、随分、迷ってましたよね?」

ということ。

「ええ、お客さんが、結構いろんな方がいらしたんで…」

「ああ、どの辺に合わせて笑いを誘おうか、迷ったんですね」

なんて話をうかがって納得。

小さな落語会にしては、年齢層も幅広くて、
集まった人たちの「つながり」も、さまざまでしたから、
気になったんでしょうねぇ。

優しい人です。
お客様ファースト。

先日読んだ『やっぱ志ん生だな!』(ビートたけし著)の中に
こんな記述がありました。↓

 志ん生さんって、出からサゲまで「俺の芸を見ろ」という押しつけがましさを絶対に感じさせないんだよ。ただもう、お客が喜んでくれればいい、という。

 『やっぱ志ん生だな!』(ビートたけし著) 73ページより

いや、ホントにこの姿勢が大事だなぁと改めて感じた夜でした。

そして、食事の〆は、あの「木久蔵ラーメン」の東京つけ麺!
大満足でした!

木久蔵ラーメンの東京つけめん

とりあえず盛り上がる人々