今日、8月15日は終戦記念日です。

NHKの「全国戦没者追悼式」の中継を見ながら
正午の時報に合わせて、1分間の黙とうを捧げたのは
私としても久しぶりのことです。

1945年8月15日 正午。
昭和天皇の録音した「玉音放送」が全国に流れました。

その音声は、↓こちらのサイトで聴くことができます。
NHKアーカイブス:昭和天皇、終戦の玉音放送

が、上記は音質の悪い古いバージョン

終戦70年を記念して、宮内庁が公開した高音質版が
↓こちらのサイトからダウンロードできます。

この高音質版は、宮内庁が保管してきた原盤から
デジタル録音し直したもの。

宮内庁:終戦の玉音放送

宮内庁Webサイトの画面キャプチャ

上記2つを聴き比べていただくと、その違いは明白です。

実は、終戦後、テレビやラジオなどで
ずーっと使われてきた古い放送音源は
オリジナルの録音盤より、12秒近く長いんです。

なぜ長さが違うのか?

これまでテレビやラジオで使われてきた玉音放送の
音源は、宮内庁からGHQに貸し出された原盤を、
「誰かが」複製して、流出したと言われています。

で、この「複製」に変質の原因があったようです。

当時の録音機器の性能などから、複製時に再生速度と
録音速度の狂いなどが生じて、若干間延びすると共に
音質も劣化したのではないかと推測されるそうです。

だから、宮内庁が公開している高音質では
昭和天皇の発声が明確で、若々しく、落ち着きも
感じられます。

この音源、2015年に公開された時、最初にラジオで
聴いたのですが、驚きましたね。
記憶にあった玉音放送と全然違うんですもの。

世代が変わりゆくからこそ、親として思うこと

そして、今年の「全国戦没者追悼式」は、現在の
天皇・皇后両陛下が、ご出席される最後の式でした。

列席する戦没者遺族も、高齢化が進んでいます。

年号は変わり、世代も変わります。

あの戦争を直接体験した世代の人たちが
私たちに直接語ってくれる機会が
失われつつあります。

痛ましい戦争を繰り返さないように、
私たちは先の悲劇が、「なぜ起きたのか?」
「なぜ無謀な戦いを続けたのか?」
「なぜ玉砕など、強制することになったのか?」
「なぜ特攻などさせながら、弾薬もなく、
戦車もなく、戦闘機もないのに陸軍上層部は
本土決戦での逆転を夢想したのか?」

先の戦争における、いくつもの疑問を
後世に……いや、今目の前にいる子どもたちに
きちんと説明し、語り継げるようにしなければ、
歴史は繰り返す危険性が高い……。

本当に、近年、あの悲惨な戦争と同じ精神構造・
社会構造で、大いなる悲劇を繰り返してしまう
のではないかと、怖くなる時があります。

政界に見られる言動の危うさ、マスコミの軽薄、
スポーツ界に相次ぐ不祥事など、
戦時中の軍隊を彷彿とさせる理不尽さ、
思考停止、権威・権力の固着と腐敗など、
さまざまな場所で「日本の負の側面」を目にする
ことが増えたように思います。

今、私には2人の子どもがいます。

彼らの未来のために、私たち大人が、先の戦争に
ついて、改めて、冷静かつ理性的に振返らなくては
いけない時が来ている……というより、そういう責任が
親にはあるんだと、思うようになりました。

子どもたちに、ちゃんと説明できる親でありたい…。
そう思います。