『アウトレイジ』北米版Blu-rayパッケージ表面

私は批評家ではないので、「自分が気に入っている映画」しか紹介しません。
過去の映画作品であれば、基本的に私のDVD&Blu-rayコレクションに含まれている作品から紹介します。
ロードショー作品も、観終わって満足した作品しか紹介しません。

というわけで、過去作品から、最初に何を紹介しようか迷ったのですが、時期的にはやっぱりこれかな、と。

北野武監督の2010年公開作品『アウトレイジ』!
何といっても、もうすぐ!10月7日に『アウトレイジ 最終章』が公開されるのですからね。
『最終章』は、予告編を見る限り、かなり面白そうです。

↓の公式動画を見れば、約4分でシリーズ2作をおさらいできるそうです。

私、北野映画の大ファンなんですが、この『アウトレイジ』を観終わった時は、少々複雑な気分でしたね。何というか、これまでの北野映画……独特の構図と間の取り方で、生への不安や、世の残酷さなどをそこはかとなく感じさせる、非常に不安定な世界が魅力であった北野映画に対して、この作品は純然たる娯楽大作! 『Brother』(2001年)『座頭市』(2003年)も娯楽作でしたが、『アウトレイジ』ほど吹っ切れた作風ではなく、“ありきたりな娯楽作に抵抗する北野色”を感じていました。

でも、これは完全なやくざ映画!
あまりにも清々しい娯楽映画っぷりに、「北野映画らしさが薄い…」と、ファンとしての複雑な想いを抱いたわけです。

でも、この作品は抜群に面白い!
というか、過去のやくざ映画=昭和の東映任侠路線や、深作欣二監督の『仁義なき戦い』に始まるリアリティからも決別し、昭和後半から平成に続く東映Vシネマで立て続けに発表された作品群とも一線を画す、“やくざ映画の新たな形式”を作り出した大傑作!

北野武監督は、当時のインタビューで下記のように言っています。

Q:男同士の意地の張り合いが最高に面白いですよね。「やれねえのか、バカヤロー」「やってやるよ、このヤロー」みたいな(笑)。

ヤクザたちがワーワー言い合いしているシーンは、ほとんど漫才の間なんだよ。全員が、漫才のツッコミ状態。セリフの間を編集で、全部縮めてあるからね。役者にも、もっと早くしゃべってって指示したりしてた。こっちがセリフ終わる前に、もう早口で怒鳴っているみたいなね。

『アウトレイジ』北野武監督 単独インタビューシネマトゥデイ 2010年6月10日

漫才の間!

そして、どんでん返しのストーリーが面白い!

ほんとにテンポよく進んで、やくざ同士の駆け引き、裏切りの連続に目が離せない!

そして、ストーリーの面白さを忘れるぐらいに印象に残るのが、やくざたちの殺し方/殺され方!
特に椎名桔平の死に方には衝撃を受けました。

北野映画のバイオレンス描写と、ストーリーテリングの妙味、そして独自のカメラワークが結実した監督の代表作のひとつであることは間違いありません。

これからDVD&Blu-rayの購入を考えている方には、北米版がおススメ!
価格も安い上に、収録内容は国内版と同じ。というか、英語字幕までついているので、かなりお得です。
(「お疲れ様でした!」とか、「失礼します!」といったセリフがすべて「Good-bye Sir(Sirs)」と訳されているのを見て、「日本語って難しいな」と改めて実感した次第です)

 

『アウトレイジ』北米版Blu-rayパッケージ裏面

【作品メモ】
2010年6月12日 日本公開作品。北野監督の第15作目。第63回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式参加している。

【監督・脚本・編集】北野 武
【キャスト】大友/北野武:加藤/三浦友和:関内/北村総一朗:池元/國村隼:村瀬/石橋蓮司:水野/椎名桔平:石原/加瀬亮 ほか
【音楽】鈴木慶一
【衣装デザイン】黒澤和子
【大友組組長衣装】山本耀司
【製作】「アウトレイジ」製作委員会(バンダイビジュアル、テレビ東京、オムニバス・ジャパン、オフィス北野)
【配給】 ワーナー・ブラザース映画、オフィス北野