シティーヒート DVDパッケージ表面

60年代からマカロニ・ウエスタンで人気を博し、
70年代には『ダーティハリー』シリーズでその人気を不動のものにした
クリント・イーストウッド

60年代から“タフガイ”と親しまれ、アメリカの雑誌『コスモポリタン』で
ヌードを披露すると、セックス・シンボルとして人気を確立。
70年代に『ロンゲスト・ヤード』(1974年)や『グレート・スタントマン』(1978年)などの
非常にアメリカンなアクション映画で絶大な支持を集めた
バート・レイノルズ

80年代に入ると、双方共に、それまで以上の人気を獲得。
日本では、ジャッキー・チェンの映画だと思われている『キャノンボール』シリーズは
バート・レイノルズが主役となり、居並ぶ豪華スターの上で看板をはっているのです。

そんな2人のドル箱スターが、絶頂期である1984年に共演したのが、
この『シティヒート』。

今だと、DCのバットマンと、マーベルのアイアンマン共演するようなものです。

当然、映画会社も大ヒットを期待したし、
私たち観客も、とんでもなく面白くてかっこいいアクションを期待したものです。

しかし……

結論を言えば、この映画は失敗に終わりました。
後半、知りつぼみになるのです。

特に、後半はバート・レイノルズが活躍するシーンが減り、
クリント・イーストウッドに花を持たせたような印象もあり、
『シャーキーズ・マシーン』や『トランザム7000』などで
レイノルズのファンになっていた少年時代の私は、大いにガッカリしたものです。

でもこれ、理由があったんですよね。
その理由を知ったのは随分後のことです。

その理由とは……

映画の途中、2人が大立ち回りを演じる見せ場があるのですが、
この時、イーストウッドがレイノルズを叩くのに使った木の椅子が、
予定していたダミー(壊れやすくてケガしないもの)ではなく、
本物の木の椅子に変わっていたのです。

スタッフのミスですね。

このアクシデントでレイノルズはあごを骨折。

アクションスターとして致命傷を負いました。

あごを骨折して、急下降したレイノルズは1994年に…!

一時、この怪我のせいで激やせしたバート・レイノルズが
「エイズに感染した!」という噂が蔓延し、
人気の減退に勢いをつけたといいますから、
この事実は長く明らかにされていなかったのかもしれません。
(当時の情報が少なくてすみません)

で、骨折後、残っていた撮影を何とかこなしますが、いろいろ予定とは
変わってしまったのでしょう。
最初から、あの程度の仕上がりを想定していたとは思いたくありません。
だって、とんでもないギャラが発生するドル箱スターがダブル主演なんですよ⁉

そして、バート・レイノルズは、この作品以降低迷期に入ってしまい
『マローン/黒い標的』や『レンタ・コップ』シリーズ、
『スイッチング・チャンネル』など小粒な作品が続きます。

そんな彼が息を吹き返したのが、1997年に公開された
ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ブギー・ナイツ』!

随分と長い冬を乗り越えたのです。

一方のクリント・イーストウッドは、『シティヒート』以降も変わらず大活躍。

現在では、世界屈指の映画監督として名作を連発しています。
特に2004年の『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)以降は傑作ぞろい。
私も大好きです。

と、そんなこんなを思い出す上で、どうしても欠かせないパーツが
この『シティヒート』なのです。

もし、お近くのTSUTAYAにあったら、借りてみてください。
でも、Blu-rayも安いですね……。買い替えようかなぁ……。

  
  

【作品メモ】
監督のリチャード・ベンジャミンは俳優兼監督。この作品が監督2作目(?)であり、その後もパッとした作品は作っていない。1990年の『恋する人魚たち』(主演 ウィノナ・ライダー、シェール)がキャリア中の最高傑作と言えるのではないだろうか? バート・レイノルズは、この作品で第5回ゴールデンラズベリー賞最低男優賞を受賞。非常に可哀そうな話である。

【監督】リチャード・ベンジャミン
【製作】フリッツ・メーンス
【音楽】レニー・ニーハウス
【キャスト】スピア警部/クリント・イーストウッド:マイク・マーフィー/バート・レイノルズ:アディ/ジェーン・アレキサンダー:ジニー・リー/アイリーン・キャラ:プリモ・ピット/リップ・トーン ほか

■DVD発売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
本編:97分